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美人看護婦・真夜中の殺意(復讐)
人 物
島本珠代(21)新米看護婦
・・・イメージキャスト・島田珠代
草加倫子(34)ベテラン看護婦
・・・イメージキャスト・黒木瞳
星川真理(24)看護婦・珠代の先輩
老人(87)
〇敬星大学付属病院・外科病棟・廊下
若い患者の乗ったストレッチャーを大
急ぎで押している看護婦達。
周りの看護婦にてきぱきと指示を出す
草加倫子(34)。
その後ろをおろおろしながらついていく
新米看護婦・島本珠代(21)。
倫子「珠代ちゃん、先に手術室行って手洗い
看護さんの手伝いして!」
珠代「はいっ!」
早足で横から追い抜こうとする珠代。
しかし倫子達のスピードも速く、なか
なか追い抜けない。
結局ずっと横に並んで一緒になって歩
いている珠代。
倫子「珠代ちゃん、なにやってるの!」
珠代「はいっ!」
更に歩調を速める珠代。
必死の表情で一生懸命歩き、やっと倫子
達を追い抜く。
その瞬間右に曲がり手術室に入っていく
倫子達。外にポツンと取り残される珠代。
手術室の中から、
倫子の声「早く入ってきなさい!」
珠代「(ハッとして)は、はいっ!」
〇同・ナースステーション
珠代に優しく説教をする倫子。
倫子「いい、ほんの一秒や二秒の差で患者さ
んを救えることもあるし、死なせてしまうこと
だってあるんですからね」
珠代「すみません・・・」
倫子「(笑顔になって)次からは気をつけてね。
頑張れ、珠ちゃん」
珠代「はいっ!」
倫子を尊敬の眼差しで見る珠代。
真理の声「主任」
振り向く倫子。星川真理(24)がノート
を持って立っている。
真理「主任、あの来月のシフトなんですけど」
倫子「あ、そうそう、これから私夜勤は珠代
ちゃんと組むようにするから」
真理「え・・・」
倫子「もうあなたは一人前よ。これからは通
常のシフトに入ってちょうだい」
真理「・・・わかりました」
珠代「私主任と組めるんですか?やった!」
倫子「珠代ちゃん、しっかり勉強してもらい
ますからね」
珠代「はいっ!」
嬉しそうな珠代を見ている真理。
〇同・更衣室・中
ロッカーの前で私服に着替えている珠
代と真理。
珠代「主任って凄いですよねー。仕事も出来
るし優しいし、ほんっと憧れちゃうなー」
真理「そうね。・・・そういえばあなたこれか
ら夜勤主任と組むんだよね」
珠代「そうなんですよ。凄く楽しみですー」
真理「気をつけてね・・・」
珠代「え?なんですか?」
真理「あ、ううん、なんでもない」
珠代「ちょっと、言ってくださいよ」
真理「大した事じゃないから。気にしないで」
珠代「気になります!言いかけたことはちゃ
んと最後まで言ってください」
真理「うん・・・これはホントに偶然かもし
れないんどね」
じっと聞き入る珠代。
真理「主任が夜勤の日って、よく患者さんが
亡くなるの」
珠代「えっ」
真理「先月まで私が組んでたんだけどね、主
任が巡回から帰ってくると、今まで安定し
てた患者さんの様態が急に悪くなって・・・」
深刻に聞いている珠代。
真理「勿論ただ偶然が重なっただけだろうけ
どね。ごめんね変なこと言っちゃって」
珠代「そうですよ。そんなの偶然に決まって
ますよ」
気にせずに着替えを続ける珠代と真理。
〇同・外科病棟・廊下 (深夜)
静まり返った廊下。
〇同・ナースステーション (深夜)
倫子と珠代が話している。
珠代「へー主任の研修時代ですかー。想像つ
かないなー」
倫子「毎日ドジばっかやってたわ。だから珠
代ちゃん見てると私にそっくりだなって」
珠代「本当ですか?じゃあ私も主任みたいに
なれるのかなー」
倫子「私みたいになったら駄目よ。一生お嫁
にいけなくなっちゃう」
珠代「そんなことないですうー!」
倫子壁にかかる時計を見て、
倫子「じゃあ私巡回に行ってくるから。ナー
スコール鳴ったらよろしくね」
珠代「はいっ!お願いします!」
懐中電灯を手に出て行く倫子。
見送った珠代、机に向かい何か書き始
める。
しばらくして、ふと手を止める珠代。
真理の声「よく患者さんが亡くなるの」
ボーっとしていたが、ハッとして我に
返りまた作業を続ける珠代。
しかしすぐにまた何か考え込む。
真理の声「主任が巡回から帰ってくると、患
者さんの様態が急に悪くなって・・・」
考えている珠代。おもむろに立ち上が
り、部屋を出て行く。
〇同・廊下 (深夜)
懐中電灯を持って病室を回っている倫
子。
その後ろの角から顔を出す人影。
倫子をこっそり覗いている珠代。病室
の陰や曲がり角を使って上手く隠れて
ついて行く。
さらに倫子の後を追って曲がり角にさし
かかった瞬間、
倫子の声「だれ!」
懐中電灯の光で珠代の顔が照らし出さ
れる。
倫子「珠代ちゃん、なにやってるの?」
珠代「あ、あの、その、(何か思いつき)主任
が心配で、ついてきちゃいました」
倫子「え?心配って?」
珠代「あの、主任、大丈夫です。そんな落ち
込まなくてもきっとお嫁にもらってくれる
男性はいますから」
倫子「はあ?」
珠代「だってそんな素敵なんですもん。私が
男だったら真っ先にプロポーズしちゃうな」
倫子「珠代ちゃん。いいから戻ってなさい」
珠代「はいっ」
早足で帰って行く珠代。
〇同・別の廊下 (深夜)
巡回を続ける倫子。
その後ろの角からまたも顔を出す珠代。
見つからないように慎重に後をつける。
ふとある病室の前で立ち止まる倫子。
周りを気にしながら中に入って行く。
それを不信そうに見ていた珠代、病室に
近づいて行く。
ドアの隙間からこっそり中を覗く珠代。
すると、倫子の姿が消えている。
ドアを広く開け、病室内を見回す珠代。
一歩部屋の中に入る珠代。すると、ド
アの裏に倫子が隠れて待ち構えている。
倫子「珠代ちゃん」
珠代「あっ、主任!あっ、あっ」
動揺する珠代。
倫子「(口に指をあて)シーッ!」
珠代を部屋から連れ出す倫子。
倫子「あなたなんでついてくるの!」
珠代「え、あ、あの、(何か思いつき)主任、
さっき私が男だったらプロポーズするって
いいましたけど、別に主任に対して変な気
持ちはありませんから。私が好きなのは、
あくまでも男。かっこいいお・と・こ!」
倫子「(怒って)珠代ちゃん」
珠代「すいませんでした」
頭を下げ、そそくさと帰って行く珠代。
〇同・別の廊下 (深夜)
歩いている倫子。突然後ろを振り返り、
角を懐中電灯で照らす。
その光に、廊下の片隅にある観葉植物
が照らし出される。珠代はいない。
ほっとしてまた歩きだす倫子。
その時、背後の観葉植物がゴソゴソと
動き出す。植物の陰から顔を出す珠代。
観葉植物と一体になって倫子の後をつ
けていく珠代。
再びとある病室の前で立ち止まる倫子。
辺りを見回す。とっさに観葉植物の陰
に隠れる珠代。
倫子、病室に入って行く。
じーっと見ている珠代。
その時、病室の中から老人の呻き声。
老人の声「うーっ。あーっ」
怪訝そうに首を傾げる珠代。
真理の声「様態が急に悪くなって・・・」
ハッとして飛び出す珠代。
ダッシュで駆け寄り扉を開け病室に飛び
込む。
珠代「主任、駄目です!!」
珠代に驚く倫子。
ふと見ると、倫子が老人の股間にしびん
を押し当て排尿の手伝いをしている。
老人「(気持ちよさそうに)うーっ。あーっ」
硬直する珠代。一瞬の後我に返り、
珠代「だ、駄目です!私を一人にしちゃ!だ
って寂しいんだもん。もう主任を放さない」
上目使いで倫子にぴたっとくっつく珠代。
倫子、珠代を見つめ、
倫子「珠代ちゃん・・・」
珠代「主任・・・」
見詰め合う二人。
〇同・ナースステーション (朝)
さわやかに入ってくる真理。
真理「おはようございます!」
真理を呼びとめる倫子。
倫子「星川さん、やっぱりあなたもうしばら
く私と組んでもらうことになったから」
真理「え?珠代ちゃんは?」
倫子「うん、しばらく田舎のお母さんの所で
静養してもらうようになったから。あの子、
この仕事向いてないみたい」
真理「 (ニヤっとして)そうですか。困ります
よね、きっとまだ学生気分なんですよ。(猫
なで声になって)でも嬉しいですーまた主
任と組めるなんて・・・私まだまだ主任に
教わることたくさんあるんですー」
倫子に甘える真理。
終
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