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異世界に迷い込んだ小学生達のリーダー、高松翔。
彼を襲う突然の腹痛を「盲腸だ!手術だ!」と勝手に決め付けた友人達は、ただ単に医者の息子だという理由だけでクラスメートの柳瀬くんを執刀医に決めつける。
そしてよしゃーいいのに「ぼく、やってみる!」と中途半端な勇気を出した柳瀬くんは、カッターナイフによる外科手術を決定するのだった。
着々と手術の準備がすすめられていく教室。
クラスメートが翔の口にタオルを詰め、暴れないように体を押える。
図書室から人体解剖図を持ってくるように指示する柳瀬くん。
彼はもはやすっかり医者になりきっている。
執刀前に柳瀬くんは言う。
「看護婦が必要だ!誰か看護婦をやってくれる人は・・・」
そうだ。確かに必要だ。
手術など一人で出来るものではない。
しかもこれは柳瀬くんにとって初めての執刀なのだ。
というか柳瀬くんは医者じゃない。
そんな彼を少しでも動きやすくするために、有能な看護婦が絶対に必要なのである。
看護婦少女「わたしがなるわ!」
おおっ!たのもしい!
自ら看護婦に名乗り出た一人の少女。
この自信にあふれた顔を見てくれ!
なんと頼りになる顔だろうか。柳瀬くんこそただの医者の息子だが、この少女はもしかしてなにか看護婦のような仕事をした経験でもあるのではないだろうか?
こんな教室でのカッターナイフを使った手術の手伝いに名乗り出るなんて、普通の女の子じゃ出来ない。
この頼りがいのある表情はその経験のあらわれではないか?
そうだ。きっとそうに違いない!

看護婦少女「わたしおとなになったら、看護婦になりたかったの。」
それだけですか(泣)。そんな気はしたけど。
ままごと感覚ですね。

そら友達もこんな表情になるわ。
そしてついに。

やっぱりこんな手術イヤだ。
この後、楳図さんらしい非常にグロテスクな描写が続きます。
リアルと言うことも出来ますが。
柳瀬くん、がんばってやってます。
看護婦の女の子と一緒に傷口を開いて腸をとりだし、盲腸を切り取る。
技術力、知識(ないけど)は勿論、この状況に耐えうる精神力はかなりのものだ。さすが。そういうところはやっぱり医者の息子という遺伝子、いや、責任感からくるものなのか?
周りの小学生達もただ見ているだけでなく、翔の体を押さえたりいろいろ手伝いをしている。
すばらしい団結力。
このまま順調にいけば無事手術は成功に終わるのではないか?
と思われた時。

看護婦少女「あっ、柳瀬さんっ!!しっかりしてっ!!」
ああっ!!
どうしたんだ柳瀬くん!!!
柳瀬くんが急に苦しそうな表情になり、冷や汗を浮かべて動きを止めてしまった。体力、精神力の限界か?
大丈夫か、柳瀬くん!
・・・無理もない。この仕事は小学生には荷が重過ぎる。
二十歳すぎた大人の医大生でも最初は手術の見学だけで貧血をおこしてしまうという話を聞いたことがある。
柳瀬くんはこんな初めての状況で執刀をしているのである。
しかもほとんど一人だけで。
道具もなにも揃っていない状況で必要以上に気をつかわなければならず、彼の体も心も予想以上に疲弊しているに違いない。
しかし。だからといってここで倒れてはダメだ!!
柳瀬くん、キミが動けなくなったら翔はどうなると思ってるんだ!
一人の人間の命がかかっているんだぞ!?
よし、ここは看護婦の出番だ。
看護婦少女、柳瀬くんを助けるんだ!今彼を立ち直らせることが出来るのは君しかいない!必死に声をかけるのもいい。ちょっと叩いて気合を入れてやるのもいいだろう。
今まさにキミの看護婦としての素質が問われている時だ!
さあ、キミなりのやり方で柳瀬くんを元気づけるんだ!!!

ベッ?
手術中なんですけど・・・。

看護婦にくらったツバまみれの柳瀬くん。
これは励ましではなくダメ押しだと思うのは私だけだろうか?
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